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土壌に施用した肥料が水に溶けたままでいるとしたら、降雨により肥料は浸透水とともに逃げてしまってすぐに肥料切れをおこしてしまうこととなる。しかし、土壌には、肥料分をつかまえておいて必要なときに養分を供給できるという好都合な能力がある。
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土壌は電気を持っている ・・・・・ 塩基置換容量 |
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土壌に施した硫安は水にとけるとアンモニアと硫安に分かれるが、アンモニアは水の中では、プラスの電気をおびたアンモニアイオンになり、硫安はマイナスの電気をおびた硫酸イオンになる。
土壌中の腐植と粘土鉱物はマイナスの電気をもっていて、プラスの電気をもっているアンモニア、カリ、石灰、苦土の陽イオンを引きつけてつかまえておく。この「塩基をつかまえておく電気の手」の数を土壌の「塩基置換容量」とよぶ。一般に塩基置換容量が高いほど保肥力が強い。 |

土壌の中に含まれている石灰、苦土、カリなどの塩基の量とそのバランスは作物の生育や土壌の酸性に影響する。土壌のマイナスの電気の手が全部石灰、苦土、カリなどの塩基でふさがっていると、土壌は中性ないしアルカリ性である。しかし、日本は雨が多いため、雨によって塩基が流される。雨は地上に達するまでに空気中の炭酸ガスを吸収して炭酸水を含むようになる。炭酸水の中の水素イオンによって土壌の塩基類が追い出されて、いままで塩基がいたところに水素イオンが入り込み土壌の回りの塩基が少なくなり、水素イオンがふえてゆき土壌の酸性が強くなっていく。
| 2) |
土壌のリンサン固定 ・・・・・ リンサン吸収係数 |
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プラスの電気をもつアンモニア、カリ、石灰、苦土は土壌に吸着されるが、硝酸やリンサン、硫酸、塩基などの陰イオンは土壌の中でどうなるのだろうか。
硫酸イオン、塩素イオンは同じマイナスの電気をもっている土壌粒子とは互いに反発しあって吸着されず、雨がふると水といっしょに下層に流されてゆく。硝酸は、アンモニアと同じチッソであるが、陽イオンのアンモニアは土壌に保持されるが、アンモニアが微生物の働きで硝酸に変わると陰イオンになって土壌に保持されない。そのため、畑ではチッソ肥料は一度にたくさん施さず、何回かにわけて施す必要がある。
リンサンも陰イオンであるから、土壌に施した場合、雨やかん水で流されるのではないかと疑問がおこる。リンサンイオンは、土壌中での変化が陽イオンの塩基類とは全くちがっており、土壌中の石灰、鉄、アルミニウムなどと科学的に結合する。特に、鉄やアルミニウムと結合するとほとんど作物に吸収されない強い結合であるから、このような状態をリンサン固定といい、100gの土壌がリンサンを吸収結合する量(ミリグラム)をリンサン吸収係数と呼ぶ。アルミニウムが多い土壌ほどリンサン吸収係数が大きい。 |
| ●畑土壌はこうして酸性化する (松尾ら) |
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| 注:H 水素、Ca 石灰、Mg 苦土、K カリ、Na ナトリウム、NH4 アンモニア |
土壌の酸性を測定して表示した値を、pH(ペーハー)と呼びpH7が中性で、大部分の作物の最適pHは6.0〜6.5である。
日本は雨が多いため、もともと酸性土壌が多く、一度改良しても酸性土壌にもどりやすい。さらに、化学肥料の使用量の増加が土壌の酸性化を助長している。
pHが低い(強酸性)場合に起こる作物の障害には、次のものがある。
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アルミニウムの害 |
| 2) |
塩基置換容量の減少により養分の保持力が低下して微量要素が溶ける。 |
| 3) |
微生物の活動の低下 |
酸性土壌を改良するには、
| 1) |
石灰を施用する。
必要量を一度に、よく土壌と混和して、改良後のpHを測定する。 |
| 2) |
生理的酸性肥料の施用を減らす。 |
| 3) |
堆きゅう肥の施用 |
| ●野菜に適するpH |
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| 注:|----| は最もよいpH(水)の範囲。ただし、この前後0.5の範囲でも生育できる。 |
| 3) |
有機物の炭素率と分解 |
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有機物の主な成分は、炭素と窒素と水素と酸素であるが、炭素と窒素の割合を炭素率(C/N比)とよび、有機物の種類によりかなりの差がある。炭素率は有機物の分解のはやさや、アンモニアのできる量と深い関係をもっている。このため、安易に有機物を施して地力を高めようとするのではなく、目的によって有機物を使い分けることが大切になってくる。 |
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タンパク質
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3〜4
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ダイズかす
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5〜6
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鶏 糞
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5
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豚 糞
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10〜15
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完熟堆肥
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15〜20
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牛 糞
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20
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青 草
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20〜40
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イナわら
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50〜60
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ムギわら
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60〜80
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落ち葉
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50〜70
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土壌中のチッソの変化 |
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土壌中には10アールあたり200kg前後のチッソが含まれている。しかし、作物に吸収されるアンモニア態チッソや硝酸態チッソはわずかであり、大半は作物に吸収されない有機態チッソである。 |
| 1) |
乾土効果 |
冬場の天地返し後の水稲栽培 |
| 2) |
地温上昇効果 |
温度が高いほどアンモニア態窒素の発生が多い |
| 3) |
アルカリ効果 |
水田での消石灰の施用によるアンモニア態窒素の発生 |
| 4) |
硝酸化作用 |
畑でのアンモニア態チッソの硝酸態チッソへの変化 |
| 5) |
脱窒現象 |
水田での硝酸態チッソの施用による嫌気性菌による
チッソガスへの変化 |
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