空飛ぶ新玉ネギ
ハウス土壌の特徴
 
 ハウス栽培は、露地栽培と違って被覆資材(ビニール)が被っているため土壌の状態には大きな特徴がみられ、露地の畑とは非常に異なっている。

1) 塩類が集積する
   種子を播く時に、肥料の上に直接播くことはしない。肥料を施した上に覆土して種子を播く。種子が肥料と接触していると、水を吸えなくて発芽しにくく、発芽しても根が水を吸えないために枯れてしまう。このように、土壌溶液中の肥料濃度(塩類濃度)が高いと、根は水を吸収できないので、水に溶けている養分も吸収できない。
 ハウス土壌では、施肥基準を上回っていることが多く吸収されなかった養分は土壌に残る。露地栽培では、吸収されなかった肥料の大部分は降雨により流されるので土壌に残るのはわずかである。一方、ハウスでは高温で蒸発が盛んなため、毛管水が下から上へ動き、水と一緒に土壌溶液中の塩類も土壌表面に移動して蓄積する。

2) 電気伝導度 (EC:Electric Conductivity)
   塩類が溶けている溶液に電気を通すと、濃い塩類溶液では電気抵抗が少ないので電流の流れが良い。すなわち、電気伝導度が高い。逆に薄い塩類溶液では電流が流れにくく電気伝導度は小さい。このため、ECを測定すれば、土壌溶液の塩類濃度を知ることができる。

塩類濃度に対する野菜の抵抗性
塩類濃度に対する野菜の抵抗性

第49表 ECと濃度障害およびECによる施肥のめやす (小松) 
土壌の種類 項目/判定 不足 やや不足 適量 過剰 障害
火山灰土、沖積土
(壌土〜埴壌土)
沖 積 土
(砂土〜砂壌土)
EC(ミリモー)
硝酸態N(mg)
EC(ミリモー)
硝酸態N(mg)
0.2以下
5以下
0.2以下
5以下
0.2〜0.6
5〜20
0.2〜0.5
5〜10
0.6〜1.4
20〜50
0.5〜0.9
10〜20
1.4〜2.0
50〜75
0.9〜1.5
20〜35
2.0以上
75以上
1.5以上
35以上

注: 不足・・・元肥は基準量を施し、生育中なら早急に追肥する。
やや不足・・・元肥は基準量の3分の2とし、収穫期には追肥する。
適量・・・施肥の必要なし。
過剰・・・濃度障害の危険あり、充分かん水。
障害・・・濃度障害が起こる。除塩が必要。

3) 土壌物理性の悪化
   ハウスでは毎日のように灌水が行われるため、土壌の構造が破壊され、また肥培管理で土が踏み固められるため物理性が悪くなる。
 気相が少なく、おおきな孔げきも少なくて透水性が悪く収量に大きく影響することが多い。

4) 微生物の状態
   高温で水分が多く微生物のえさとなる有機物がたくさん施されるため、微生物の繁殖には適しており、種類も多い。しかし、薬剤消毒や灌水が行われるので、微生物の種類や数はそのたびに変動する。
 ハウスでは、毎年同じ作物を連作するので、土壌伝染性の病気の発生が怖い。
 
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